December 18, 2023

ICOM倫理規程の改定に向けて

東 自由里
ICOM常設委員会Ethics Committee
ICOM日本委員会理事・立命館大学名誉教授

ICOM倫理規程の改定に向けた議論は2019年の京都大会を皮切りに始まり、2025年に開催予定のドバイ大会まで完成させることを目指している。当初は「ICOM職業規程」として1986年ブエノスアイレス大会で採択され、2001年バルセロナ大会で改定されている。2004年ソウル大会では名称が今の「ICOM倫理規程」(ICOM Code of Ethics for Museums)に変更されて、再度改定された。

今回の改定はこれまでとは違い、社会の価値観が大きく変容している現状に耐えうる、21世紀にふさわしい博物館・文化施設のあり方を示すことを目指している。

2023年11月にICOM日本委員会にご協力いただいたコンサルテーション3の意見集約報告書の内容は、他のICOM国内・国際委員会、各種委員会、連携機関から提出された文書と共にICOM公式ホームページの会員サイトから入るRevision of the ICOM Code of Ethicsで公開される予定である。

私はICOM倫理委員会(通称ETHCOM、エスコム)の改定作業コアグループの一員として、上記のRevision of the ICOM Code of Ethicsのサイトをもっと見やすく、わかりやすくするために、パリ本部事務局担当者とも話し合いを重ねている。ここで重要なのが、会員のみなさまと情報内容を共有化することである。

倫理規程はICOMにとって核を成す重要な文書である。2022年のプラハ大会で新博物館定義が採択されるまで全ICOM会員が関わってきたように、今回のICOM倫理規程の改定においても、全会員の参加が不可欠である。

ICOM日本委員会の皆さまには、2024年度に行われる予定のコンサルテーション4においても引き続きご協力を賜りますようお願い申し上げます。