博物館に関する世界で唯一かつ最大の非政府組織

ICOMは、博物館の進歩発展を目的として創設された国際的な非政府組織です。世界各地の博物館及び博物館専門家が、倫理的基準と革新的実践について話し合い、交流するためのグローバルなコミュニティです。1946年の創設以来、博物館及び博物館に委託された遺産の保護と振興に取り組んできました。また、持続可能な社会の発展においては、情報やインスピレーション、洞察を提供する場として博物館が果たす役割が不可欠な存在であるということを、ICOMは発信しています。

ICOMには、国別に組織された国内委員会(National Committees)と地域連盟(Regional Alliance)、博物館の様々な専門分野に即して組織された国際委員会(International Committees)があります。このほか、博物館の倫理に関する問題や、災害等の緊急時における対応を検討する特別委員会(Standing Committees)やワーキンググループが設けられています。それぞれが年次会合などを開催し、最新情報の交換や知識の共有が図られています。3年ごとに、すべての委員会が一堂に会する「大会(General Conference)」が開催されます。

ICOMでは、『ICOM職業倫理規程(Code of Ethics)』を策定し、世界中の博物館が一定の基準を満たした活動を実現できるよう基本的指針を示しています。地球規模で博物館と博物館の専門家を代表する団体として、ユネスコ、国際記念物遺跡会議(ICOMOS)や国際刑事警察機構(INTERPOL)などの国際組織と協力関係を保ち、遺産の保護及び違法取引を防止する取り組みや、紛争や自然災害など非常時の文化財のリスク管理及び支援体制を構築する活動をしています。また、知識とノウハウの共有を優先事項に位置付けており、世界中で拡大しつつある博物館コミュニティのために、人材育成にも力を入れています。世界水準の研修を開催することにより、博物館専門家間に文化を超えた対話や交流を促進しています。

データから見たICOM

51,302 人の個人会員
3,000 団体会員
131 登録国・地域数
4 特別委員会(Standing Committees)

120 国内委員会 (National Committee)
34 国際委員会(International Committee)
8 地域連盟(Regional Alliance)
23 加盟機関(Affiliated Organisation)

2022年時点

ICOMの主な活動

自然・文化遺産の保護及び国際連携
危機にさらされた文化財レットリストの作成、文化財の不法輸出入の見張り番システム(税関・INTERPOLとの連携)
規範の策定
ICOM職業倫理規程、UNESCO「ミュージアムに関する勧告」作成協力
人材育成
北京のICOM国際研修センター(ICOMITC)や各委員会により専門研修、セミナーやワークショップの開催
問題意識の醸成
社会問題を取り上げ、対応を検討する特別委員会やワーキンググループを設け、世界博物館コミュニティへ発信
出版
専門誌『Intangible Heritage』、『Museum International』、『ICOM 博物館研究の進歩』などの出版、ニュースレター配信により最新情報を発信。

更に詳細な情報は、ICOMウェブサイトや規約・倫理規定をご覧ください。