December 8, 2020

第2回調査報告:ミュージアム・ミュージアム従事者と新型コロナウィルス感染症

[2020.12.8]

この調査は、2020年4月から5月にICOMが行なった第1回調査に次ぎ、第2回として2020年9月から10月にかけて実施され、世界900のミュージアムとミュージアム従事者から回答を得た調査報告書です。

<要点>
開館状況
前回の調査結果に比べ、9〜10月のミュージアムを巡る状況は、地域による相異が顕著となった。ヨーロッパとアジアのミュージアムはほとんどが開館している一方、中南米やカリブ海諸国では大半が休館し、その他の地域では状況が混在している。

デジタル活用
ミュージアムはデジタルを活用したプログラムに引き続き注力している。今回の調査で対象となった7つのカテゴリー全ての項目において、少なくとも15%の世界中のミュージアムで活用が増加。SNSやライブ配信・イベント、オンライン教育プログラムについては、活用する館が50%近くも増加した。前回に比べると、とりわけ新しいプラットフォームを活用し始めたミュージアムの比率が増加した。

グラフ, 棒グラフ

自動的に生成された説明
「Museums, museum professionals and COVID-19」より引用

スタッフ
ミュージアム関係者は現場での仕事を再開したが、特に中南米やカリブ海諸国、北米、太平洋地域では、引き続き在宅勤務が広く奨励もしくは強制されている。一部のスタッフを一時解雇もしくは解雇したと回答したのは約14%のミュージアム。さらに、16.2%が、今年の2月から9月の間に少なくとも4分の1のスタッフを一時解雇または解雇、約11%が半数以上の一時解雇または解雇したと回答した。

フリーランスの状況は前回の調査より幾分改善しているが、依然として憂慮すべき状態にある。回答者の10.7%が一時的に解雇、16%が契約を更新されていない。フリーランスとコンサルタント分野は非常に脆弱で、40.9%が自身への給与の支払いを停止し、28.9%が従業員数を削減せざるをえなくなるだろうと回答している。フリーランスのうち27.5%がキャリアの全面的な見直しを検討している。

同様に、世界のほぼすべてのミュージアムが、新型コロナウイルス感染症の影響で、リソースや事業を縮小せざる負えなくなる見通しだ。30.9%が正規職員の雇用を縮小、46.1%がフリーランスと一時雇用者の雇用を縮小するであろうと回答している。

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自動的に生成された説明
「Museums, museum professionals and COVID-19」より引用

展覧会とプログラム
前回調査では82.6%が展覧会とパブリックプログラムの縮小を懸念していたが、今回の調査では、展覧会62.4%、パブリックプログラム67.4%と前回より下回っているものの、依然として不安が残る状況である。また、所属するミュージアムが廃館になるのではないかと考える回答は、前回の12.8%から6.1%に低下したが、過半数以上が開館時間の短縮を余儀なくされると予想している。

地域による違い
データは地域間の顕著な違いを浮き彫りにした。とりわけ、ミュージアムの歴史が浅く、数も少なく、構造的に脆弱な、アジア、アラブ諸国、中南米、カリブ海諸国が深刻な影響を受けていることが、第2回調査において示された。

保存と修復
ミュージアムにおける文化財の保存と修復は、休館期間中も継続された。80%の回答者が維持できたとし、うち少なくとも10%が新型コロナウイルス感染症に対応して4月時点より活動が強化されたと回答した。ところが、15-20%は、アフリカ、中南米、カリブ海諸国およびアラブ諸国においては、保存と修復活動が不十分であると回答した。

報告書全文はこちら
ICOM Follow-up report: Museums, Museum professionals and COVID-19